CASE

「ルーメン・ルクス・カンデラ」などの明るさの単位の違いについて

2024.01.31

照明器具を購入する際、実際に店舗でライトをつけて確認することができない場合やネット上で購入する場合など、『具体的な明るさのイメージができない』『買ったけど思ってたのと違う』と困ったことはないでしょうか?

家の照明や自転車のライトなど、照明機器を購入する際の気を付けるべきポイントに明るさの度合いがあります。

そして、その明るさの度合は、明るさを表す単位の違いを理解することで正しく用途に合った明るさの製品を選べるようになります。

この記事では光の単位について、使われるシーンや数値の目安を用いて解説していますので、ぜひ参考にされてみてください。

ルーメンとは

ルーメンは「光の総量」のことで、単位は㏐、日本語訳は光束です。1ルーメンは「1カンデラの光源が1ステラジアンの範囲に放射する光束」と定義されています。

光は光源を中心に360度放射状に広がりますが、ルーメンはその光全体の明るさを表しています。明るさの度合いを測る際に最も使われる指標で、ルーメン数が高いほど人は明るいと感じます。

使われるシーンと目安

ルーメンはさまざまなシーンで使われますが、よく目にするのは家庭用の電球のパッケージや、ロードバイクのライトなどの明るさの表記です。
照明機器を選ぶ際は、必ずしも高いルーメン数の商品を選べば良いというわけではなく、用途により数値を決める必要があります。
日本照明工業会(JLMA)では照明を選ぶ参考基準として、部屋の広さや畳数による推奨ルーメン数を定めています。

LEDシーリングライトの適用畳数の表示基準

出典:「一般社団法人日本照明工業会HP」より

ちなみにルーメンは、LED照明の発展にともない頻繁に使われるようになった単位です。

電球や蛍光灯は電力量W(ワット)で示されていますが、LED照明は電球や蛍光灯に比べ、とても少ない電力の量(ワット)で同じ明るさを出すことができます。

電力量W(ワット)での表記だと、LED照明の方が電球や蛍光灯より少ない値となり、暗いという印象を避けるために、ルーメンが使われるようになりました。

カンデラとは

カンデラは「特定方向の光の強さ」を表しており、単位は㏅、日本語訳は光度です。1カンデラの明るさは「ろうそく1本分の明るさ」で、カンデラの語源はキャンドルと言われています。

光は光源から放射状に放たれますが、カンデラは放射の一部を切り取って測定した値です。

また、同等の明るさの光でも照射角度が鋭角になるほど強い光となるため、光の照射角度が狭いほど、カンデラの値も大きくなります。

照明器具は照射方向により明るさが異なりますが、その中で最も光が強い方向の光度を、最大高度と表します。

使われるシーンと目安

カンデラの主な使われるシーンは、PCモニタなどのディスプレイの明るさや車のヘッドライトがあり、一定の方向に放射される光の強さを表す際に用いられることが多いです。

カンデラは照射角度によって値が大きく変わるため、同じライトでも数値が変わります。懐中電灯で考えると、カンデラの数値が小さいほど照射距離が短く広範囲を照らし、大きいほど照射距離が長く狭い範囲を照らします。

ちなみに、車のヘッドライトは車検でカンデラ値を計測することが検査基準の一部となっており、ロービームでヘッドライト内のリフレクターに反射した光の数値が6,400カンデラ以上必要です。

6,400カンデラとは、15m先にある障害物を確認できる程度の明るさを基準にした数値となります。

ルクスとは

ルクスは光源から「照らされた面の明るさ」を表す指標で、単位はlx(lux)、日本語訳は照度です。1ルクスの定義は「1平方メートルの面が1ルーメンの光束で照らされるときの照度」なので、ルーメン毎平方メートル(lm/㎡)と表されることもあります。

数値が大きいほど明るいですが、一般的に光は光源から離れるほど暗くなるため、光源から距離があるほどルクスの数値も小さくなります。

使われるシーンと目安

ルクスは照明設計で使われることが多く、蛍光灯やLEDなどの照明を設置した際の、床面の明るさを示したい場合などに用いられます。光源からの距離の影響を受ける値なので、照明器具などのカタログには光源から既定の距離を定めたルクスの値が表記されます。

■住宅における推奨照度の例
・書斎で勉強をする場合:750ルクス
・居間で読書をする場合:500ルクス・食卓で食事をする場合:300ルクス

ルクスは日々の生活の中で一番体感しやすい光の単位で、日本産業規格(JIS)においては、作業内容や空間の用途に応じて目安となる推奨照度が定められています。

最近では「照度計アプリ」も開発され、日常生活で使う身近な面のルクス値を、スマホやタブレットで測れるようになりました。

照明を取り替える際や購入する際は、照度計アプリを使って日常の中から理想の照度を計測し、近い数値の商品を購入したり、照明の位置を作業面から調整して照度を合わせたりすることができます。

それぞれの違いについて

上記で説明したように光の単位には、用途や計測方法によりさまざまな種類がありますが、全ての単位を1つの光源から順に追って図にまとめると下記のようになります。

  • 光源から放射状に光が出る(ルーメン:光の総量)
  • 放射状の光の一部を切り取って計測(カンデラ:特定方向の光)
  • 放射された光が面に届く(ルクス:照らされた面)

単位の換算と単位が異なる理由

単位が多いことで困る現象として、それぞれの単位の相関性が分かりにくい点があります。単位ごとに考え方、計測の仕方が異なるため変数も多く、換算可能な単位と不可能な単位があるので、用途により必要な単位を選び数値を確認することが最適です。

また、光の強さと単位が違う理由としては、「光の明るさ、強さに影響を及ぼす要因」「使うシーンによって選ぶ基準が異なるため」の2つの理由が関係しています。

使うシーンによって選ぶ基準が異なるため

光の用途は数多くあり、全ての用途を同じ基準で選ぶことが困難なため、さまざまな単位が存在しています。光は光源だけでなく、使う環境にも大きな影響を受けます。屋外での利用においては天候への配慮も必要不可欠です。

また、災害時や屋外作業で使う場合の照明やヘッドライトには、明るさ以上に連続点灯時間の方が重要視されることもあり、ヘッドライトなどの器具を選ぶ際には特に確認しておきたいポイントです。

光の明るさ、強さに影響を及ぼす要因

光の明るさや強さの単位について解説をしてきましたが、光の色も明るさの感じ方が変わる要因です。

人は色温度が高いほど明るいと感じるため、白色に近い光の方がオレンジのような温かみのある色より明るいと感じます。家庭内照明で、寝室などリラックスした空間を作りたいという場合は、オレンジの温かい色の照明の方が目的に合う空間を演出できます。

また、照明を設置する際は照明の周りの壁紙色も考慮すべきポイントです。光の反射により照明の明るさの感じ方が異なり、白系統の壁紙は暗い系統の壁紙に比べ反射率が高いため、より明るく感じます。

まとめ

光の単位「ルーメン・カンデラ・ルクス」について解説をしてきましたが、それぞれの単位のイメージは掴めたでしょうか?照明機器を選ぶ際には、用途や使う環境をもとにそれぞれの数値を総合的に判断することが重要です。

もし、その他にも気になることがあれば、ぜひ、その他の関連記事も参考にされてみてください。

安⼼、信頼、対応⼒のライフサポートが
“選ばれる理由”

選ばれる理由をみる