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仏壇の処分はどうすればいい?方法別の費用相場と注意点を徹底解説

2025.11.12

仏壇の処分は、多くの方が人生で一度は直面する問題です。

しかし、どのように処分すればよいのか、費用はいくらかかるのか、具体的な手順が分からず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

仏壇は先祖代々受け継がれてきた大切なものだからこそ、適切な方法で丁寧に処分したいものです。

この記事では、仏壇を処分する際の具体的な方法や費用相場、事前に確認すべきポイントについて詳しく解説していきます。

仏壇は無料で処分できる?

基本的には仏壇を完全に無料で処分するのは難しいと考えてください。

仏壇を解体すれば燃えるごみとして無料で処分できますが、中には宗教用品を引き取らない自治体もあります。

大きくて構造が複雑な仏壇だと解体自体が難しく、専用工具の購入や、場合によっては業者に依頼する必要も出てくるでしょう。

また仏壇を処分する方法は様々ですが、ほとんどの場合、事前にお布施を納めて閉眼供養(魂抜き)を行っていることが前提です。

岩手県盛岡市の例を挙げると、事前に魂抜きを済ませた仏壇であれば、自治体が指定する場所に持ち込むことで無料で処分してもらえます。

供養を行った証明として「供養証明書」の提出を求めるなど、しっかりとした受付基準を設けている寺院や店舗も一部存在するくらいです。

何からの方法で仏壇を売却する場合も、梱包の費用や配送料、サイトの利用料などの費用がかかるのも事実。

自治体の回収サービスを利用するなど安く処分できるケースはありますが、いずれにせよどの方法も一定の費用の発生は避けられないでしょう。

様々ある、仏壇の処分方法

ここでは、仏壇の主な処分方法を紹介していきます。

繰り返しになりますが、基本的には事前に閉眼供養を済ませていないと受け付けてもらえないことを覚えておきましょう。

菩提寺

仏壇の処分だけではなく、閉眼供養から供養後のお焚き上げ、さらには仏壇処分後の供養まで一か所でまとめて依頼できます。

菩提寺に依頼しない場合でも、仏壇の処分について様々なアドバイスをもらえるので「最初の窓口」として一度相談しるといいでしょう。

ただし、防災や環境への配慮から、近年は仏壇の引き取りや処分を実施しない地域も増えています。

仏壇は、サイズを問わず持ち運びが大変です。

せっかく菩提寺に持って行っても断られるケースもあるので、無駄足にならないように前もって連絡するようにしましょう。

仏壇・仏具店

仏壇・仏具店への依頼は、最も多くの人に選択されている処分方法の一つです。

仏壇・仏具のプロであるため、扱いが丁寧なのに加え、仏壇周りのものも引き取ってくれます。

宗派による制約も少ないので、多くの方が有効に利用できるでしょう。

また、お寺とつながっているため、仮に閉眼供養を依頼する寺院が見つからない場合は僧侶の紹介や派遣にも対応してくれます。

ただしデメリットとして、処分費用が比較的高い点や、仏壇を購入せずに処分のみの依頼となると、利用しづらくなるケースがあります。

業者によって対応は大きく異なるので、複数の店舗を回ってみてください。

回収業者

不用品回収・リサイクル業者が、仏壇を引き取ってくれる場合もあります。

費用はかかりますが、自宅まで仏壇を直接引き取りに来てくれるうえ、閉眼供養もまとめて依頼できる場合もあるため処分の手間がかかりません。

高級な仏壇に用いられている金箔や希少な木材を再利用する業者も存在するため、無料で処分できる可能性もあります。

ただし悪徳業者も多いので、利用者からの口コミと許可の有無(一般産業廃棄物収集運搬許可や古物商許可など)は最低限確認するようにしてください。

仏壇は扱いが難しいため、一般的な家具・家電や家財とは異なり業者が引き取りに応じてくれないケースも多々あります。

だからといって、取りあえず引き取ってくれる業者であればどこでも良いと考えるのは危険です。

引き取ってもらいづらい仏壇であるからこそ、信頼できる業者を慎重に見極めていきましょう。

遺品整理業者

回収業者と同様、遺品整理業者でも仏壇の引き取りから閉眼供養まで幅広く対応してくれます。

ハウスクリーニングや消臭作業など、仏壇の処分以外に必要となり得る作業もまとめて依頼できる点が強みです。

サービス内容は業者によって異なるため、まずはホームページで対応可能な作業や実績を確認してみてください。

なお、ホームページ上に掲載されていない作業でも、業者によっては問い合わせれば対応してくれるケースもあります。

「こんな作業でも対応してもらえるだろうか?」と疑問に思ったら、積極的に問い合わてみてください。

自治体の回収サービス

多くの市区町村では仏壇は「一般廃棄物」扱いできず、仏具類も自治体により対応差があります。

仏壇を回収しない自治体もあるので、まずはホームページで対象品目と回収ルールを確認しましょう。

自治体が仏壇の回収に対応している場合は、主に以下3通りの方法が想定されます。

  • 回収日に集積所に出す
  • 自宅まで回収に来てもらう
  • 自分で焼却工場に持ち込む

いずれの方法も、電話やインターネットを通して事前予約が必要になるケースがほとんどです。

特に混み合っていると希望通りの日時に予約できないケースはよくあるので、候補日を複数作っておくとよいでしょう。

また、仏壇が自治体側で回収できる既定のサイズを超える場合には、解体が必要になることも。

複雑な構造をしている仏壇だと解体には一定の知識が必要になり、素人では作業が難航する可能性が高いです。

大きい仏壇だと運び出しにも時間がかかるので、難しいと感じたら無理をせずに他の処分方法を検討しましょう。

買取専門店やインターネットオークション

数はそれ程多くはありませんが、中には仏壇を取り扱っている買取業者も存在します。

価値のある仏壇であれば、ある程度の価格で引き取ってもらえることもあるでしょう。

ただし、仏壇を店舗に持ち込む必要があるので、自家用車を保有し自分で無理なく持ち運べる方に適した方法といえます。

また、インターネットオークションへの出品も一つの選択肢です。

ただし、中古の仏壇は買い手が少なく、いつまでも売れない可能性も十分にあるため、急ぎの場合には向かないでしょう。

仮に売れたとしても出品手数料や配送料がかかり、大した利益が見込めない可能性もあります。

仏壇処分にかかる費用の目安

次の章で詳しく説明しますが、仏壇を処分する前にまずは閉眼供養が必要です。

閉眼供養の費用は、お布施としてお寺に納めます。

お布施はあくまでも納める側の気持ちのため、具体的な金額は定められていませんが、1万円から5万円が相場です。

お布施袋の表書きは「御布施」として、閉眼供養の際に僧侶へ直接手渡しします。

なお、「御車代」は必須ではありませんが、お渡しするとより丁寧な対応となります。

続いて、前章でした処分方法ごとの費用相場は以下の通りです。

処分方法 費用相場
菩提寺 10,000~100,000円
※寺院により費用は大きく異なる
仏壇・仏具店 20,000~100,000円(出張費や処分費用などを含む)

※仏壇のサイズ・仏具の量によって変動

自治体の回収サービス 500~3,000円
焼却場に自分で持ち込む場合は数百円
不用品回収業者/
リサイクル業者
20,000円~
※業者によって費用は異なる
遺品整理業者 5,000~50,000円

菩提寺は依頼する寺院によって費用が高額になる可能性があります。

できるだけ費用を抑えたい場合は、供養だけを菩提寺に依頼し、仏壇の処分については自治体の回収サービスを利用するのがおすすめです。

仏壇を処分する前に確認しておきたいこと

ここでは、仏壇をトラブルなく処分するために確認すべき内容を解説していきます。

仏壇の処分を進めるにあたって常識ともいえる内容なので、一通り目を通してみてください。

閉眼供養

閉眼供養とは?行わないデメリット

閉眼供養とは、仏壇に宿る魂を抜く儀式のことです。

これまで家族を守ってくれた仏様やご先祖様に対して、感謝の意を示す目的もあります。

閉眼供養を行わない場合、いくつかのデメリットがあります。

まず、多くの業者が「バチあたり」につながるという理由で、魂抜きをしていない仏壇は引き取ってくれません。

さらに、多くの自治体では仏壇を一般ごみや粗大ごみとして処分できない場合もあります。

加えて、本来行うべき供養を行わなかった場合、その決断に対して疑問や不安がいつまでも残ってしまうこともあるでしょう。

ネガティブな出来事があった際に、「あの時供養しなかったから」と後悔しないためにも、しっかり閉眼供養を行うことをおすすめします。

なお、閉眼供養を行うかどうかの最終的な判断は本人に委ねられます。

仏壇以外のものを処分するか決めておく

仏壇と合わせて、ご本尊やお位牌、仏具など仏壇周りのものをどのように扱うのかも決めておきましょう。

もし処分する場合は、仏壇と一緒に魂抜きを依頼します。

本来であれば、閉眼供養は魂入れ(開眼供養)をして霊魂が宿っている仏壇やご本尊のみに行う必要があります。

ただ、長年手を合わせた仏具にも魂があるという考えもあるので、ごみとして処分するのに抵抗があれば一緒に供養してもらいましょう。

閉眼供養の後に行うこと

閉眼供養した後の仏壇は、一般ごみとして処分できます。

ただ、長年の思い入れがある仏壇を雑に扱いたくない場合は、菩提寺でお焚き上げしてもらうのがおすすめです。

菩提寺によっては、ご本尊や位牌、仏具、仏壇台なども一緒に焼却処分してくれる場合があるので相談してみましょう。

また、仏壇を処分した後も供養は継続する必要があります。

仏壇処分後の供養方法としては、永代供養や手元供養が一般的です。

永代供養は後継者がいない場合に、永代供養墓で寺院に供養を任せる方法です。

寺院によっては初期費用が高額になるケースもあるので、しっかり家族や親せきの了承を得るようにしましょう。

手元供養は位牌を小さな仏壇などに納めて供養する方法で、住環境の変化に対応しやすいメリットがあります。

宗派ごとに処分方法が異なる点に注意

同じ仏教であっても、宗派が違えば仏壇の処分方法は異なります。

同じ宗派でも、住職の方針によって処分方法に違いが出ることもあるくらいです。

特に浄土真宗と創価学会の仏壇は、処分方法が特殊といわれています。

浄土真宗の処分方法

浄土真宗では「人は死後、すぐに天国に召される」という教えがあり、閉眼供養は不要とされています。

そもそも仏壇に故人の魂が宿るという考え自体がないため、魂抜きの儀式は行いません。

浄土真宗の場合は、閉眼供養ではなく遷座(せんざ)法要・遷仏(せんぶつ)法要を行います。

創価学会の処分方法

創価学会の仏壇は特殊なものと捉えられており、一般的な仏壇店では引き取ってもらえない場合がほとんどです。

引き取ってもらうには創価学会専門の仏具店を探す必要がありますが、費用が割高になる場合が多いので注意しましょう。

処分方法としては、御本尊(仏像や掛け軸など)は創価学会の地区会館に引き取ってもらい、仏壇は粗大ごみとして処分するなど、複数あります。

重要書類や貴重品などの取り忘れ

仏壇を処分する前に、収納スペースを隅々まで確認するようにしてください。

仏壇の引き出しの中から、故人の写真や手記といった思い出の品や、遺言書や証書類などの重要書類、貴重品が出てくるケースも珍しくありません。

こういった大切なものを誤って処分してしまい、親族間でトラブルにつながるのはよくあることです。

故人が生前に住んでいた空き家など自宅以外の仏壇であれば、複数人で確認した方がよいでしょう。

家族や親せきの了承を得てから進める

仏壇の処分は、しっかり家族や親せきの了承を得てから進めてください。

仏壇は先祖代々受け継がれるもののため、勝手に処分するとトラブルにつながる可能性があります。

自分や子どもに引き継ぐ意思がなくても、兄弟姉妹や親せきは引き継ぎたいと思っている可能性もあるため、合意を取ったうえで進めていきましょう。

まとめ

今回は仏壇の処分方法や費用相場、事前に確認すべきポイントについて解説してきました。

仏壇を処分する際は、まず閉眼供養を行うことが基本です。

処分方法は菩提寺や仏壇店、自治体の回収サービスなど複数の選択肢があり、それぞれ費用や手間が異なります。

また、宗派によって処分方法が異なる点や、家族や親せきの了承を得ることも重要です。

仏壇は先祖代々受け継がれてきた大切なものだからこそ、後悔のないように丁寧に処分を進めていきましょう。

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