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エアコンの暖房が効かない!暖かい風が出ない原因と今すぐできる対策

2025.12.10

「冬になってエアコンの暖房をつけたのに、部屋が全然暖まらない」そんな経験はありませんか?

冷房は効くのに暖房だけ効かなかったり、暖かい風は出ているのに寒かったりと、症状は様々です。

実は、エアコンの暖房が効かない原因の多くは、設定ミスや掃除不足など自分で解決できるものばかり。

本記事では、暖房が効かない主な原因と、今すぐできる対策方法を詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

エアコンの暖房が効かない主な原因

「冷房は効くのに、暖房は効かない」
「エアコンから暖かい風は出るが、部屋が暖まらない」

ひとえにエアコンの暖房が効かないといっても症状は様々です。

ただ、どのような症状であっても、不具合を放置する期間が長くなるほど故障につながる可能性は高くなります。

症状が軽いうちであれば改善できる場合もあるため、エアコンの暖房が効かない原因を素早く把握できるようにしましょう。

エアコンの設定ミス

前提としてエアコンの設定が以下のような状態だと、暖房が効かない可能性があるので、チェックしてみてください。

  • 設定温度が低すぎる
  • 風量が弱い
  • 風向が上向きになっている
  • 冷房・ドライ・送風モードのいずかになっている
  • タイマーやお休みモードになっている

設定温度や風量の問題はもちろん、暖かい空気は天井付近にたまりやすいため、風が上向きだと部屋はなかなか暖まりません。

暖房運転をする時は、暖かい空気がしっかり下まで届くように風向きルーバーを下向きに設定しましょう。

また、押し間違いなどでタイマーやお休みモード設定にしている場合は、気付かないうちに暖房が切れている可能性があります。

リモコンの設定は、誰がいつ・どのタイミングで変更するか分からないので、故障を疑う前に確認しましょう。

フィルターやエアコン内部の汚れ

フィルターやエアコン内部に汚れやホコリが蓄積していると、暖房効率が低下する原因になります。

フィルターの汚れが酷い場合は、中性洗剤を薄めて漬け置き洗いすると、頑固な汚れも取れておすすめです。

エアコンにお掃除機能が付いている場合でも、目安として2週間に1回はフィルター掃除をしましょう。

ただし、エアコン内部の細かな汚れを取り除くには分解が必要になり、構造が複雑なため素人が単独で行うと破損や故障の原因になります。

分解を伴うエアコン内部の洗浄は、1~2年に1回を目安に業者に依頼するのがおすすめです。

フィルターやエアコン内部の汚れを除去するだけで、(通常よりエアコンの温度や風量を下げたとしても)暖房の効きは改善されます。

霜取り運転の影響

暖房運転時には室外機から冷たい風が吹き出します。

そのため、外気温が低い時期だと室外機の中にある熱交換機に霜がつきやすくなります。

霜取り運転とは、熱交換器に霜がついた際に暖房効率が低下するのを防止するための機能です。

霜取り運転中は一時的に暖房を停止するため、エアコンをつけているはずなのに肌寒いと感じるでしょう。

エアコンが霜取り運転を行っている時は、室内機から「プシュー」「ポコポコ」「シャー」という音が出る他、室内機から水蒸気が出る場合もあります。

このような音や状態を確認できたら、少し待ってみましょう。

通常であれば、霜取り運転が完了すると(10~15分程度)暖房運転が再開します。

室外機の不具合

室外機は部屋の温度を調整するうえで重要な役割を担うため、何かしらの不具合が生じるとエアコンの暖房効率に大きく影響します。

室外機の故障を疑う前に、まずは室外機の周辺がふさがっていないかを確認してみましょう。

室外機の吹き出し口やファンが物でふさがっている状態だと、風が上手く循環せずに部屋が暖まりづらくなります。

室外機の周りに物がある場合は取り除き、風を通すための十分なスペースを確保しましょう。

また、室外機に霜がついていたり、雪に覆われていたりすることも、エアコンが正常に動かない原因になります。

霜が頻繁につくようであれば、室外機の故障が疑われるので専門業者に点検を依頼しましょう。

エアコン本体の状態もチェック

室外機だけではなく、エアコン本体の吹出口や上部の吸込口が家具でふさがっていても風が上手く循環しなります。

家具の配置上動かすのは難しいかもしれませんが、エアコンの動きを遮る可能性があるものがあれば、可能な限り距離を置くようにしましょう。

エアコンの冷媒ガス漏れ

冷媒ガスとは、室内の温度を調整する際に使用されるガスのことです。

冷媒ガスはエアコンの配管の中に充填されており、冷房では熱を外に排出し、暖房では外気の熱を中に取り入れる役割があります。

何らかの原因で冷媒ガスが外へ漏れると、熱の運搬が上手く行かなくなり、エアコンは機能しなくなります。

冷房は多少ガス漏れしていても機能する場合はありますが、暖房の場合はガスが不足すると機能しなくなることがほとんどです。

そのため、夏に冷房は普通に使えていたのに、冬になり暖房が効かなくなるケースはよくあります。

思い当たる場合は、冷媒ガスがエアコンから漏れていないかを業者に点検してもらいましょう。

外気温が低すぎる

エアコンの暖房機能は、外気温の影響を直に受けます。

目安として外気温が-10℃を下回ると、暖房能力が著しく低下して室内を快適な温度に保つのが難しくなります。

特に北海道や東北などの寒冷地では、家庭用エアコンの暖房だけで室内を十分に暖めるのは難しい場合が多いです。

エアコンだけで部屋が中々暖まらない場合には、暖房器具と併用するか、寒冷地仕様のエアコンの購入を検討してみてもよいでしょう。

寒冷地仕様のエアコンは、モデルによっても異なりますが、-15から-20℃に対応している製品もあるなど高い暖房能力があります。

お住まいの地域の外気温に合わせて、最適な製品を選びましょう。

また、外気温が低すぎると霜取り運転が頻繫に作動し、部屋が温まりづらくなります。

その場合は、エアコンの設定温度を少し下げることで、霜がつくスピードを抑えられる可能性があるので意識してみてください。

エアコンの暖房が効かないときの対策

エアコンの暖房が効かないのは故障とは限らず、適切に対処すれば改善する場合も多くあります。

ここでは、エアコンの暖房が効かない・部屋が暖まらない時に自分ができる対策を紹介します。

簡単なリモコンの設定変更や掃除のみで改善するケースもあるので、ぜひ参考にしてみてください。

暖かい空気を循環させる

エアコンの 暖かい空気は天井付近に溜まりやすいので、部屋全体に循環させることが大切です。

暖かい空気を効率良く循環させるには、以下のポイントを意識しましょう。

風向きルーバーを下向きにする

エアコンからの暖かい空気が部屋全体に行き届くように、エアコンの吹き出し口の板(風向ルーバー)を下に向けましょう。

ルーバーを下向きにすると、暖かい空気が床まで届くようになります。

ただし、温風でもエアコンの風が直接当たると冷たく感じるので、風向きを上手く調整して、自分がいる範囲だけに直に風がこないようにしましょう。

空気清浄機やサーキュレーターを併用

より効率良く部屋全体に暖かい空気を循環させるために、空気清浄機やサーキュレーターを併用するのがおすすめです。

天井付近の暖かい空気と床付近の冷たい空気が満遍なく混ざり合うことで、快適に生活するのに丁度よい温度にできます。

空気清浄機やサーキュレーターは、部屋の上に溜まっている暖かい空気を風で巻き込むように「やや上」に向けてセットするのがコツです。

セットした後は、天井付近に当たった風が希望の場所に上手く循環するように微調整します。

ただし、窓の近くなど温度が低い場所に置くと、逆に室内の温度を下げてしまう可能性があるので注意しましょう。

隙間風を防ぐ

そもそも部屋に冷気が侵入している状態だと、エアコンの暖かい空気を部屋全体に循環させるのは難しくなります。

冷気の主な侵入箇所は窓ですが、それ以外にもドアの下など家の至る所から侵入していきます。

ちょとした隙間風を防ぐためだけでも暖房効率は変わるので、可能な限り冷気を遮断する工夫をしましょう。

冷気を防ぐために、有効なアイテムは以下の通りです。

厚手で保温が高いカーテン

カーテンで冷気を遮断することで、暖房効率の低下を抑えることができます。

ただし、日が出ている時はカーテンを開けて、暖かい空気を取り入れるようにしてください。

冷気を入れないようにカーテンを1日中締め切っていると、かえって部屋が冷えてしまうので注意しましょう。

隙間テープ

隙間テープは、玄関や窓サッシ、網戸、開き戸・引き戸などに貼り付けます。

隙間テープを購入する際は、ドアや窓の開閉に影響がないような素材や厚さ・長さの製品を選ぶようにしましょう。

また、窓サッシや網戸は雨風にあたるので、できるだけ耐久性や対候性に優れた商品を選ぶことも大切です。

室外機の周囲を片付ける

暖房効率の低下につながるので、 室外機の周りには物を置かず、十分なスペースを取るようにしてください。

また、外気温の低さだけでなく、室外機の周りに障害物がある場合も熱交換器に霜がつきやすくなるので注意が必要です。

例えば植木鉢など、それほど大きくなくても障害物になり得るものは片付けて、室外機の動きを妨げないようにしましょう。

積雪が多い寒冷地の場合には、防雪対策も必要になります。

雪除けカバーや屋根を取り付け、必要に応じて除雪も行い、室外機が雪に埋もれないようにしましょう。

定期的なエアコンの掃除

エアコン内部に汚れが蓄積すると、暖房効率が低下して電気代の増加につながるのはもちろん、最悪の場合だと突然の故障で使用できなくなる恐れもあります。

故障の程度によっては、修理代が余計にかさんだり、元通り使えるまでに時間がかかかり家族が体調を崩したりするなど様々なリスクが想定されます。

費用の面はもとより、家族の健康を守るためにも、定期的にエアコンの清掃を行いましょう。

フィルターやエアコン本体の外側など、自分で安全に作業できる部分は2週間に1回のペースで掃除を行うのが理想です。

エアコンの定期的な清掃により、暖房効率を維持できます。

お掃除機能付きエアコンでも手入れは必須

お掃除機能で掃除できるのは、ほとんどの機種でフィルター部分のみで、あくまでも表面の大きな埃や塵を除去する程度に限られます。

フィルターにこびりついた汚れ、エアコン内部に付着した油汚れやヤニ汚れ、カビなどは除去できません。

フィルターの取り外しが難しいタイプのエアコンや内部の掃除が必要な場合は業者に依頼するのが確実です。

エアコンを買い替える

エアコンの使用年数によっても暖房効率は左右されます。

長年使用している場合は、まずはエアコンの状態をチェックしましょう。

エアコンの故障や寿命が近づいているサイン

  • エアコンから風が出ない
  • 運転ランプの点滅
  • 異音がする
  • 運転音がうるさく感じる
  • エラーコードが頻繁に表示される

国税庁は家庭用エアコンの耐用年数を約6年としています。
参照 :  「国税庁 主な減価償却資産の耐用年数表

耐用年数を超えて使用している家電は、修理してもすぐに他の場所が故障することが多く、電力消費も激しくなる傾向があるので買い替えを検討しましょう。

また、単純にエアコンの能力が部屋の広さに合っていなくて、暖房が効いていない可能性もあります。

例えば、エアコンを譲り受けて後付けで設置した場合などは注意が必要です。

取扱説明書には「適用畳数」が記載されており、エアコンの能力に適した畳数の目安を把握できるようになっているので確認しましょう。

まとめ

今回はエアコンの暖房が効かない原因と対策方法を解説してきました。

設定ミスやフィルターの汚れ、室外機周辺の障害物など、多くの問題は自分で対処できます。

定期的な掃除や風向きの調整、サーキュレーターの併用など、日頃のちょっとした工夫で暖房効率は大きく改善することもお伝えしました。

ただし、冷媒ガス漏れや本体の故障が疑われる場合は、専門業者への相談が必要です。

快適な冬を過ごすために、まずは今回紹介した対策を試してみてください。

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