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CASE
2024.02.29
ノートや靴、体操着など、あらゆる場面で活躍する油性ペン。ですが、そんな油性ペンもついてほしくない場所についてしまうと、途端に厄介者へと変貌してしまいます。
とくに服や家の壁紙など、絶対についてほしくない場所についてしまったときの絶望感は誰もが一度は味わったことがある感覚ではないえしょうか。
ということで今回は、油性ペン汚れに困っている方に向けて油性ペン汚れの落とし方についてまとめてみました。
基本的には油性ペンでついた汚れはいくら対処しても汚れが残ってしまう場合があることを理解した上で、読み進めていただければ幸いです。
ここでは、製品や素材ごとに油性ペンの落とし方を紹介していきます。
油性ペンの汚れは、成分が強すぎない溶剤などを使い、少しずつ落とすのが理想です。
強力な溶剤を使用したり、力だけで強引に消そうとしたりすると、素材が痛み使い物にならなくなるので注意しましょう。
また、油性ペンで誤って書いてしまったことに気付いたらすぐに対処することも大切です。
布製品など一度書いてから時間が経つと落ちづらくなる素材もあるので、できるだけ早く対処しましょう。
ホワイトボードの消し方はシンプルで、油性ペンで書いてしまった箇所を「ホワイトボードマーカー」で上塗りするだけです。
簡単に消える理由としては、ホワイトボードマーカーに剝離剤が入っているためです。
ホワイトボード表面の文字や線が見える部分を「着色層」といい、剝離剤は着色層の間に透明な「剝離層」を形成します。
剝離層の働きで文字や線がホワイトボード表面に定着するのを防ぎ、イレーザー(ホワイトボード消し)でこすると消える仕組みです。
注意したいのは、アルコールやシンナーなど成分が強い溶剤を使うのを避けることです。
油性ペンは消える可能性が高いのですが、ホワイトボード表面が激しく傷つき書き消しできなくなる場合が多く、新品を購入しなければならなくなります。
など、強い洗浄力を謳っている製品、他の物質を溶かす性質がある石油から作られた「有機溶剤」は基本的に使わないようにしましょう。
特に有機溶剤は、人体に有害な物質が含まれている点も指摘されているので、自己判断で使用するのは望ましくありません。
また、黒い油性ペンは黒のホワイトボードマーカー、白い油性ペンは白のホワイトボードマーカーで消すようにしてください。
再度誤って油性ペンで書いてしまった場合に、ホワイトボードマーカーのペン先に色が混じるのを防ぐためです。
冒頭にも述べましたが、布製品は時間が経過すると油性ペンを落とすのが難しくなります。
汚れに気づいたらすぐに対処をしましょう。
布製品に油性ペンがついてしまった場合は、一般的に無水エタノールや徐行液、クレンジングオイルを使用して落とします。
ただ、服の色まで落ちてしまう場合もあるので、いらない服などで実験してから作業した方がよいでしょう。
汚れを落とす手順は以下の通りです。
*クレンジングオイルを使用する場合は、最後にぬるま湯で洗い流しましょう。
汚れが頑固な場合は、ぬるま湯(40~50℃程度)に洗濯洗剤と酸素漂白剤を混ぜ、付け置きする方法もおすすめです。
油性ペンの汚れに対して直に液体洗剤を染み込ませて、一晩付け置いた後に洗濯する方法を「塗布放置洗浄」といいます。
洗濯する際は、付け置きするために使用した液体洗剤の分を差し引いて、洗剤を投入しましょう。
油性ペンごとの成分の差や付着したインク量、衣類の素材などにより汚れの落ち方に差はありますが、一定の効果が見込めます。
ガラス・プラスチックは、プラスチック消しゴムでこすった後に、無水エタノールまたは徐行液を染み込ませた布で拭けば落ちます。
無水エタノールも徐行液も、汚れの落ち方はほとんど変わりません。
どちらも表面がツルツルしているため、他の素材に比べて油性ペンは落ちやすいです。
ただし、プラスチックの場合、以下の特徴に当てはまると汚れが落ちづらくなります。
※ 耐溶剤性とは
物質が溶剤に浸っている状態でも変形・変化しにくい性質。
このように、プラスチックは素材によって繰り返し汚れを落とす必要があるため、溶剤の影響で強度が落ちるリスクも覚悟する必要があるでしょう。
ウレタン・オイル塗装などでコーディングされている木製の机やテーブルは、「みかんの皮」を使用するのが代表的な方法です。
みかんの皮に含まれる油汚れを落とす成分が、油性ペンのインクを浮き上がらせることで汚れが落ちます。
逆にコーディングされていない木製家具だと、油性ペンの成分が染み込みやすいため、汚れを落とすのは難しくなります。
コーディングされていない分、みかんの皮を使うと変色してしまう可能性も高く、寧ろマイナスになりかねないので注意が必要です。
汚れの落とし方は、みかんの皮で汚れを擦り付け、雑巾で水拭きするだけです。
木製の机やテーブルの場合、以下の方法でも油性ペンを落とせます。
メラミンスポンジは、目に見えない程度に表面を削って汚れを落とす形なので、あまり強くこすらないように注意しましょう。
プラスチック消しゴムで1通り消した後、無水エタノールや徐行液などを染み込ませた布で拭くのが、壁紙の油性ペンを落とす一般的な方法です。
無水エタノールは揮発性が高く一度にたくさん布に付けてもすぐに乾いてしまうだけではなく、にじんでしまう場合も多いです。
無水エタノールに限らず、それ以外の溶剤を使用して汚れを落とす場合でも、少量ずつ布につけて拭いていくのを基本にしましょう。
前提として、壁紙についた油性ペンは簡単に落ちません。
壁紙は薬品に強く、少しこすっただけでは効果が見込めないことが大きな理由です。
したがって、壁紙の場合は完璧に落とすのではなく、最初から汚れを「最大限」薄くつもりで臨んだ方がよいでしょう。
すでに登場した有機溶剤を使っても落ちますが、壁紙の材質とは基本的に相性が悪いためおすすめしません。
多少時間がかかっても、壁紙が破れてしまわない程度に根気強く拭いていきましょう。
ここでは油性ペンの汚れがなぜ落ちづらいのか、主な理由を解説していきます。
油性ペンは速乾性や耐久性に優れ、金属やプラスチックなどにも書き込めるため、便利な文具の1つというイメージを持つ人も多いでしょう。
その反面、中々消えづらいのもデメリットになり得ます。
油性ペンで子供が意図的に落書きする以外にも、大人が何かの拍子で書いてしまい消えなくなくて困る場面も多々あるからです。
これまで説明してきた油性ペンの消し方だけではなく、油性ペンの基本的な作りも理解し、より臨機応変に対処できるようにしましょう。
油性ペンは揮発性が高いため乾きやすく、そのことが優れた耐水性につながり、にじみづらい点がメリットです。
その反面、水に溶けにくい油性の特徴で、汚れが落ちづらくなるデメリットも持ち合わせています。
着色剤が水に溶けている水性ペンに対し、油性ペンは石油が主成分の有機溶剤に着色剤が溶けています。
簡単に言えば、水と油の相性が悪さから、油性ペンのインクを水洗いしても油が水をはじいてしまい汚れが落ちなくなっているといえるでしょう。
説明を理解する上で「顔料」と「染料」の違いを知る必要があります。
顔料は素材の表面に色を定着させる目的で使われるのに対し、染料は素材の奥まで染み込ませるために使用される点が主な違いです。
油性ペンの大半は「染料」を使っているので、衣類や木材、皮膚などの奥に成分が入り込んでしまい、汚れが落ちづらくなってしまいます。
油性ペンが乾くと落ちづらくなる大きな理由に、定着剤や樹脂が含まれていることがあります。
油性ペンにおける、定着剤と樹脂の大まかな役割は以下の通りです。
「定着剤」→プラスチックやビニールなど、油が馴染みづらい素材にも書けるようにする。
「樹脂」→着色剤を個体にする。書いた文字が簡単に消えないように耐久性を高める(着色料と溶剤のつなぎ)。
定着剤や樹脂が含まれることで、油性ペンのインクが落ちづらい性質を様々な素材で有効にできます。
油性ペンが落としづらい素材の特徴は以下の通りです。
耐溶剤性が低い
染料染み込みやすい
表面にざらつきがある
凸凹している
【落ちるには落ちるが、完全には落としづらい素材】
木材
ビニール(※軟質塩化ビニールは除く)
(綿・麻・絹)などの布全般
壁紙(ビニール)
プラスチック
アルミ
石油製品(塩化ビニールやゴムなどの軟らかい素材)
木材は表面についたインクは比較的落としやすいのですが、奥に染み込んだ場合は簡単に落とせないので注意が必要です。
※ 軟質塩化ビニール
壁紙・床タイル・防水シート・カーペット・傘・レインコート・食品フィルムなど、あらゆる生活用品に使われている素材
手で容易に曲げることができ、耐候性や防水性に優れている
【一度油性ペンが付着すると中々落とせなくなる素材】
革、合成皮革
石
レンガ
ブロック
逆に、油性ペンを落としやすいのは以下の通りです。
・皮膚
・凹凸の少ないガラス
・プラスチック
・金属(アルミ以外)
・ホワイトボード
・※釉薬陶器
アルミは油性ペンのインクが付着して時間が経ち、色が染まると落ちない場合があります。
※ 釉薬
陶器の表面に付着しているガラスの層。
単に装飾できるだけではなく、釉薬を施すことで強度が増し、水や汚れも吸収しづらくなるなど様々なメリットがある。
今回は油性ペン汚れに困っている方に向けて油性ペン汚れの落とし方について解説してきました。
その他にも知っておきたい知識はまだまだあります。
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